いきなり難解裁定クイズ(問1〜問7まで)裁定と解説
先日の「#いきなり難解裁定クイズ」についての長文リンクです。
個人的にはこんな裁定、解説をします。
解答として読んでも良いですし、あくまで裁定例として読むんだ…というのも良いです。
★はじめに
公式のQAフォームはもうないので、厳密で正確な裁定はもう出ません。
私が頑張って筋道たてたやつを掲載していますが、ある程度解釈に幅を持たせて各ジャッジの裁定に任せる「答えが複数あるやつ」もあります。
Saga3以降の決定的なQAが存在すれば(全てには目を通せていないですが)ルールやサマリーよりQAの方が強い(※1)のでそちらに寄ります。
ただしSagaⅡ以前のカード群は「Saga3以降と同じテキストでも時代毎に設計・意図が今見たときの解釈と違うため単純比較できない(要約)」という話があるために、
①SagaⅡ以前のQAのみを参照する場合は参考程度
②参考にしたい同じような例(複数)でQA裁定が異なったり(※2)やカードテキスト解釈が異なる(※3)場合は新しい方を参照
…とするようにしています。
(※1)例としてQA-2488及びQA-2543。「冥界三巨頭“アイアコス”」のアビリティは、ダメージ判定の原則(めくったカードは全部同時扱い)を無視するものでした。
(※2)QA-80(五十嵐いぶき&パワードスーツ)とQA-1574(フリードリヒ&ジリアン)など。
(※3)代表例に『スキルひとつ』と『スキル1つ』というものがあります……「忍者“服部 忍”(SagaⅡ)」の『スキルひとつ』と「遺伝子治療(Saga3)」等の『スキル(またはエフェクト)1つ』では、実は扱うスキルの個数にギャップがある。
それでもどうしようもなくなった場合は、QA全体を見て解釈を拡大させて反映していきます。
★サマリーおさらい
23-1.同時処理内の処理順
同時処理される処理内で処理順を決めなくては処理出来ない場合、効果を受けるカードのオーナーが任意に順番を決定します。ですが、ゲーム上はあくまで同時に起こったものと見なします。
何らかの処理をしたためにもう一つの処理が不可能となった場合、その処理は行われません。
23-1-a.異なるプレイヤーの使用した効果による同時処理
異なるプレイヤーの使用した効果が同時に発生し、処理順を決めなくてはならない場合、そのターンのプレイヤーの使用した効果を先に処理し、その後、次のターンを行うプレイヤーの効果から順に処理されます。
★ポイント
・異なるプレイヤーの使用した効果による同時処理(要処理順)は、
「効果が『同時に発生』したのかどうか」で判断する。
YES→「23-1-a適用」
NO→「23-1適用」
・23-1を適用する(処理順を決めなければならない)かどうかの判断基準には、『発生か発生でないか』は問われない。
めちゃくちゃ曖昧。
まとめると要処理順の場面なら
となる。
・QAは全ての理屈を捻じ曲げる。
これが本当に困る。
それでは参りましょう。
問1.
プレイヤーAがプレイヤーBの支配エリアのキャラを目標にして「サイレンヴォイス(X=3)」を使用宣言し、プレイヤーBは自分のキャラクターのパワーを守るため同じ目標に「ブルーストーン(1番目のテキスト)」を使用宣言しました。
ターン終了時、「サイレンヴォイス」「ブルーストーン」の目標となったキャラクターの精神力はどう処理するでしょうか。
カードの効果の切れる順番が気になる問題です。
現在はプレイヤーAのターンとします。
解答…『Bの任意の順番』もしくは『必ず下がらない』(ジャッジ裁量)
↓解説
「サイレンヴォイス」と「ブルーストーン」、どちらの効果が先に切れるのか気になる…という問題でした。
ギャラクシースタイルにおける「ピュアメモリーvsオブザーバードラグーンのエフェクト」に置き換えると、この状況はよく見ると思います。
エクストリームスタイルでも「血盟と孔明(エフェクト1)」などでメインフェイズ終了時に見ることがあるかもしれません。
解釈1……サマリーを適用する場合
処理自体は同時、ただ順番決めないと!という解釈
この場合ポイントになるのは『サマリーどっちを適用するの』というところで、キーワードは『発生』となります。
効果が終了するタイミングは『発生』ではないですのでサマリー23-1を適用します。
という裁定。
「ターン終了時」の後、実際に効果が切れる順番を決める解釈。
結果として2枚のファストカードの目標となっているキャラクターのオーナーである『Bの任意の順番に解決』します。
解釈2……サマリー適用しない場合
『メインフェイズ開始時』や『ターン終了時』というのは、そのフェイズやターンに含まれることがサマリーやQA等で知られています。
精神力をマイナスする効果と、カードの効果を受けない効果はターン中どちらも有効です。
→言葉通りに受け取れば…ブルーストーンの効果が無くなったときには、サイレンヴォイスは既に効果を失っているということになります。
要するに「順番を決めなくても処理出来るよね!」という解釈。
なので精神力は『必ず下がらない』という裁定になります。
この2つの裁定、正直どちらでも筋が通っているので現状ではジャッジ判断で大丈夫。
個人的には前者は問2余談に記す類似場面にも対応できそうだと思いますし、後者は根拠が日本語なのでなるべく避けたいと思うのですが、アクエリ語はその辺本当に怖いのでヘッドジャッジにお任せ。
★補足
殆どの場合で困ることはありませんが、
この2つの解釈の違いで困るのは、目標がリムーブのスキルを持っている場合(特に「ツインエンジェル“ファイラ”&“クリオラ”」)と、目標が「PSIエンジェル」の場合のようにパワー枚数でドロー数が変わる状況です。
不安な人は事前に当日裁定を確認しておきましょう。
※横浜最強座はサマリーに添う予定です。
この辺は出題後の再考察中に思ったことも含まれているので、今度の機会に某赤い方に相談してみたいと思います。
この問で『Bの任意の順番』か『必ず下がらない』を選んだ人は正解(筋が通った)と言えるでしょう。
問2.
プレイヤーAの支配キャラがプレイヤーBの支配キャラを目標に「シューティングスター・アロー」のエフェクトを使用宣言し、プレイヤーBは「孔雀経法」を使用宣言しました。
続き.ターン終了時に、プレイヤーBのキャラは「孔雀経法」のシールドで「シューティングスター・アロー」のダメージを防げるかどうか。
現在はプレイヤーAのターンとします。
問3.
これがプレイヤーBのターンだったら、どうなるでしょうか。
解答→『必ず防げる』
↓解説
「発生」のキーワードのためだけに用意した問題です。
この問で「発生」に気づいた(思い出した)…という人もそこそこ多いのではないでしょうか。
まず、「シューティングスター・アロー」のエフェクト効果はターン終了時に発生します。
アクエリアンエイジの広いカードプール中でもかなり特殊なカードだと思います。
「孔雀経法」の効果は…ターン終了時には発生しません。
(※もしも「孔雀経法」に「ターン終了時に、このカードの効果で得たシールドを失う」というような記述があれば、失う効果が発生するので23-1-aへと話が変わってきます)
ということで23-1-aを使おうとすると間違えます。
1番近い状況はQA-1468(悪魔合体)です。
照らし合わせると、「ターン終了時には孔雀経法の効果でシールドを持っている」と解釈できます。
ダメージが発生したタイミングは「まだ同一ターン中」です。
というお話になり、結果として問2〜3の正解は『必ず防げる』と判断できます。
問2で正解していてもサマリー23-1-aを適用していたりすると類似問題で間違える(可能性が大)かもしれません。
問1との違いは、
問1…「発生ではない」「効果が切れるタイミングが同じ」「処理順決めるのかどうか」
問2…「発生」「ターン終了時というタイミングに処理」
※とんだ糞問題ですね、申し訳ないですがこういう主旨のクイズです。
★余談
必ず順番を決めないといけない(答えが割れない)場面は特殊例以外に存在するのか、という疑問が浮かぶとは思いますが
数値の変動(精神力や耐久力のどちらかに増+減の効果)が同時にかかった場合などは『必ず順番を決めます』と裁定を出します。
(有名どころだと“羽生 美輝”のエフェクトを本人に曲げた場合)
今回は片側が「効果を受けなくする効果の付与」なので解釈が増える…という難解な問題でした。
いよいよ問4.ここからが本番です。
★問4から問7までについての大前提
まず、デメテルがいる状態で支払った「ブレイクカードのコスト」は どのタイミングで手札に戻るのか…というのを明確にする必要があります
QA-2022(コスプレ売り子etc)等を参考に出来ますので、ブレイクカードの宣言時に手札に戻ります。
「支払った瞬間は捨て札にある(行く)」は間違ってはいませんが、手札に戻るのも同時です。
手札に戻るタイミングに限って言えば、オフェンシブ・ディフェンシブ・インフィニティと同じということになります。(捨て札を通過するかしないかの違いしかない)
また、用語集(支払い)やQA-99(チアリーダー)などにもあるように、宣言とコストの支払いは同時に行われます。
なので「茨の枷(コストを支払われた場合)」の効果の発生と「デメテル(ブレイクカードのコストは〜)」の効果の発生はタイミングが同じ(同時処理扱い)ということになります。
『両カードのオーナーが違えば23-1-a、オーナーが同じなら23-1…そこを見ればわかるハズ!』というところまで準備を進めることが出来ました。
それでは気を取り直して。
問4.
プレイヤーAの場にデメテルがいます。プレイヤーBがプレイヤーAを目標に「茨の枷(1つ目のテキスト)」を使用宣言し解決しました。
この状態でAが手札枚数より大きいコストのブレイクカードの宣言をしたとき、Aはコストバック(デメテルの効果)するカードを手札に加えてから茨の枷を処理するのか、その逆の順番になるのかどうか。
現在はAのターンとします。
解答→『Aの任意の順番』
↓解説
何で!?…ってなると思います。
私も初めてこのパターンに遭遇した際、最終的な結論を出せたときには、そうなりました。
まず、状況を整理すると、
デメテルのオーナー…A
茨の枷のオーナー…B
ブレイクカードの宣言…A
現在のターンプレイヤー…A
です。
オーナーが異なる「デメテル」と「茨の枷」の効果が同時に発揮され、順番を決めなければ処理が出来ません(揉めます)。
ということで、サマリー23-1-aを適用して、『必ずターンプレイヤーAの効果(デメテル効果のコストバック)から先に解決しましょう!!』………………とならないのがアクエリアンエイジの怖いところ。
実はこのパターンは超引っかけ問題でした。
QA-1575(水無瀬まひる)が同じ状況(※)と言えますので、「QA>ルール&サマリー」の力関係に則って同じように処理します。
(※)
整理すると
オフェンシブキャラのオーナー…A
まひるのオーナー…B
アタック宣言…A
ターンプレイヤー…A
となる。
ということで、この場合は『プレイヤーAの任意の順番』で処理します。
★補足
このQA-1575は…どの順で処理するのかの話はどうあれ
「同時処理だから困っていたし、順番を決めなければならない案件だし、公式も同時処理と認識している」
というところだけは読み取れると思います。
このQAと問4で「枷デメテルが同時処理だから厄介な問題になった」という前提が改めて固まれば、この先は多少気が楽になると思います。
(※ここまで)
問5.
(問4の状況について)現在がプレイヤーBのターンだった場合はどうなるでしょうか。
解答→『必ず茨の枷→デメテルの順番』
↓解説
また整理しましょう。
デメテルのオーナー…A
茨の枷のオーナー…B
ブレイクカードの宣言…A
現在のターンプレイヤー…B
となります。
先程とは状況が違います。
(なぜなら「問4 & QA-1575」と同じように考えようにも、オフェンシブキャラが自ターン以外のターン中にアタックコストを支払ってアタック宣言してくる状況…なんてものは無いために、先程のQA-1575の適用外となるからです。)
今回は他に同値のQAもないので、安心してサマリー23-1-aを参照します。
枷デメテルが同時処理で、
それぞれのオーナーが違って、
今回のターンプレイヤーはBなので、
ターンプレイヤーBがオーナーであるカード「茨の枷」の効果から必ず処理します。
流石にこちらの方が問4.より正答率高いですね( )
問6.
「デメテル」と「茨の枷」のオーナーがどちらもプレイヤーBだった場合、どうなるでしょうか。
現在はプレイヤーAのターンとします。
解答→『プレイヤーAの任意の順番』
↓解説
とりあえず整理しましょう。
デメテルのオーナー…B
茨の枷のオーナー…B
ブレイクカードの宣言…A
現在のターンプレイヤー…A
効果の発生源のオーナーが同じなので、まずその時点で23-1-aは適用できません。
今回の問で大切なのはサマリー23-1を適用するのか(適用するべきなのか)というところになります。
『同時処理される処理内で』→前提やQA-1575より、枷デメテルが同時処理であることは分かっている
『処理順を決めなくては処理出来ない場合、』→同様に分かっている
『効果を受けるカード』←ここが問題(ちょっと違う)
『のオーナーが任意に順番を決定します。』→なるほど。
この場合の『効果を受けるカード』とは何なのかと言うと、
デメテルのアビリティ→支払ったブレイクカードのコスト(カード)が効果を受ける。カードのオーナーはA。
茨の枷の1つ目のテキスト→プレイヤーAが効果を受けることになり、厳密にはカードが効果を受けていると書いてあるわけではない。
となってしまい困る。
じゃあ適用しないのかと言われると、その場合どうやって処理するのか不明となる。
そしてこのまま効果の対象《》に捉われてしまうと一生答えが出ないので、どうにか23-1で解釈出来るようにしなければなりません。
例えば「茨の枷」(テキスト2つ目)もまさにこの問題(《》に捉われるとやばい)を孕んでいて、効果の対象に捉われたままだと「個人授業天使“ザドキエル”」がいた場合にこのテキストどうするのかという新たな闇に直面します。
この場合も含めて、(処理順番やテキスト扱いの上でのみ)これらを効果を受けるカードという拡大解釈を適用するべきと考えました。
※上のザドキエルの例ならば、「テキストは無効になる」とするべき…という判断。
この判断をした上でなら、プレイヤーAの手札のカード全ては(処理順番の上でのみ)「効果を受けるカード」と判断する事ができます。
よって、この場合の処理は『プレイヤーAの任意の順番』となります。
★補足?
プレイヤーにアタックを通した場合にプレイヤーではない《》のところに効果を及ぼすカードがたくさん見つかれば良かったのですが、Saga3より前のカード知識や経験が少なくて上手く探すことができませんでした。
※プレイヤーに効果を与えるものは多く、それらの同時QAなんかは公式にもあったので、できれば類似場面としたかった。
★余談
今回の話では無い方の「効果の対象《》」については、また別の機会に問題を作りたいと思います。
「弓削ネフティス問題」や「バリアクラッカーキック」「ネイピア支店」といった抜け道カードなどを予定。
問7.
「デメテル」と「茨の枷」のオーナーがどちらもプレイヤーBだった場合、どうなるでしょうか。
現在はプレイヤーBのターンとします。
解答→『プレイヤーAの任意の順番』
↓解説
とりあえず整理しましょう。
デメテルのオーナー…B
茨の枷のオーナー…B
ブレイクカードの宣言…A
現在のターンプレイヤー…B
問6と同じで23-1-aの状況では無く、色々あってサマリー23-1を適用するので、答えが揃います。
大変お疲れ様でした。
★終わりに
普段(仕事で)やるような、ある程度正解を出さなければならない問題とは違って、正解者が出なくても良い問題を並べる機会はなかなかないので…そこだけは楽しかったです。
ただ正直、開けない方が良いパンドラの箱という感じが強いので略解のみにしようかと思いました。
あと解説作るのが1番大変で、作り終わってから出題すれば良かったと後悔しています。
次回はもう少し答えが絞り易いものを選びたいと思います。